奇怪な業界にモノ申す、精神科医田中宗親のブログ

stat rosa pristina nomine, nomina nuda tenemus
過ぎにし薔薇はただ名前のみ、虚しきその名が今に残れり
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睡眠の世紀2
前回、海外にて多くの論文が”睡眠が重病のリスクを何倍にも跳ね上げる”という事を示唆していると書きました。
睡眠やストレスによって悪化する物として、現在の時点で我が国の医師にある程度浸透し始めたのは”糖尿病”と思います。

糖尿病と言えば当然血糖が問題です。それは食事によってあがるだけなのでしょうか?
それが違うのです。
人間の体はバランスによって成り立っています。
例えばメタボリック(同化)とカタボリック(異化)。
それらは多くの場合副交感神経と交感神経によって操作されています。
戦闘モードたる交感神経が優位になればカタボリック(異化)に傾き、体脂肪やグリコーゲンなどの貯蓄を壊して血中に移行させます。つまり血糖やコレステロール、中性脂肪などが増加します。そして血圧があがり、睡眠も質が低下します。

そして人体はストレスを受けると交感神経が優位になります。結果的に血糖値や血中コレステロールがあがります。

当院で採血すると10代の痩せた女の子でも血中コレステロールが正常範囲より遥かに逸脱している事はざらにあります。そして睡眠を是正し脳のダメージを改善すると、多くの患者様がコレステロールやHgA1cは大幅に改善され、高血圧の治療を受けている患者様も血圧が一気に下がり安定するのです。

ようやくそれらが認知されて来ていることは大変喜ばしい事です。
・・・喜ばしいのですが、問題解決に繋がる気がしないのです。

それは”睡眠が問題”と分かっても、どう睡眠を是正して行くのか。
睡眠薬ごときでは改善効果などたかが知れています。
精神科においてもあるいは睡眠専門と謳っている診療所でもほとんどが大した睡眠の質の向上が出来ていない現在、他科の先生方が治すのはかなり困難であると思わざるを得ません。

世界の医療がどのように動いて行くのか。
見守って行きましょう。

次回は我が国の大学病院による快挙!についてです。