奇怪な業界にモノ申す、精神科医田中宗親のブログ

stat rosa pristina nomine, nomina nuda tenemus
過ぎにし薔薇はただ名前のみ、虚しきその名が今に残れり
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副作用Part3 春のアカシジア祭り
アカシジアの話はまだ続きます。
春のアカシジア祭りです

何故ならこの国の医療の病巣「思考停止」が明らかにここに表出していると思うからです。

まず再三申し上げてますがアカシジアの基本は「可及的速やかに滅する事」です。
それには「原因薬剤を除去し」「抗アカシジア薬を入れる」ことです。
・・・ですが。
後者は誰もがやっておりますが、前者をやっておられない方も多いのです。
有名大学病院でも。超有名精神病院でも。
結果、酷い有様となってしまっている方をあまりに多く見受けます。
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ではこんな症例をご紹介致します。

30代の男性で、統合失調症の診断を受けて某超有名精神病院に通われておられました。
そして同時並行でこちらに受診されておられました。

そこではリスパダールのデポ剤(お尻に一発注射することで数週間効果が持続する。)を打たれておられました。かなりの長期間です。

その方、どうみても物凄いアカシジアでした。アカシジアに良く見られる特徴はもとより、そわそわしてしまい毎日幾度も階段を上り下りしてしまうそうです。ああ、疲れそう。加えて陰部に強い違和感がありトイレに行くのが大変憂鬱である、と。表情も暗く、疲弊しきって、朦朧としておられました。

抗アカシジア薬の一つであるアキネトンはその病院から大量に出ていたのですが、全く無駄です。誤摩化しにもなっていない。その注射で出ている副作用なのですから。抜かないと絶対治りません。

とりあえずインデラルLAとリボトリールを処方。症状は半減しましたが、逆に言えばまだ半分もある。
やはり原因薬剤たるリスパダールのデポ剤を抜いてもらうしかない。

それを抜く下地としてカリフォルニアロケット田中変法を仕込んだ上で、デポ剤を抜いて頂きました。

結果・・・めちゃくちゃ良くなりました。上記の症状の改善はもとより、目は輝き、言葉もはっきりし、もはや別人です。もちろん統合失調症の諸症状も全く無く。睡眠も8時間ですっきりと起きれる、と完璧。統合失調症の痕跡はあまりありません。


統合失調症は初期の陽性症状主体の劇的な急性期には比較的多くの抗精神病薬が必要な事も多いですが、峠を過ぎてしまえばそれほどの量は必要なくなる事が多い。しかし、統合失調症の本質たる「不安」を全く無視してひたすら思考停止気味に抗精神病薬を大量に盛る医師が多いのです。「統合失調症だから抗精神病薬を投薬すればいい」と。不眠や不安はベンゾジアゼピンだけ盛ってしらんぷり。
患者様を見ていない。統合失調症の患者様も我々と同じ人間なのです。